企業がSNSを運用するのは当たり前!運用ルール作成のポイントとは?
SNSの普及により、企業がアカウントを持ってマーケティングすることが増えてきました。
特に若い世代をターゲットにしたい企業は、SNSを使うのが有効です。
そこで、企業がSNSを運用する際に、「運用ルール(ガイドライン)作成」が必要なのをご存じでしょうか。
なんとなく使っていると、ビジネスへの実績が伴わないだけでなく、イメージの低下や炎上騒動にもなってしまうかもしれません。
本記事では、大手企業でSNSマーケティングを担当していた私が、SNS運用ガイドライン作成のポイントについて、徹底解説します。
企業でSNSを運用する場合、ガイドラインを定めると、より安心して宣伝ができますよ。
それでは参りましょう!
企業のSNS運用にはルールが必要?その理由3つとは
SNSは基本的に、「誰がいつどこで見ているかわからないもの」です。
投稿をする時は、利用方法に注意を払う必要があります。
企業がSNSを運用する際には、社内で「運用ルール」を共有しておくとトラブルを避けられます。
①複数人で管理するから
企業のアカウントは、複数人のスタッフで管理する場合が多いでしょう。
その際に運用ルールがないと…
- 複数人がバラバラのトンマナで投稿してしまう
▶︎アカウントの統一感がなくなる - どの位のボリュームでユーザーと交流するのか
▶︎お客さま対応にムラが出てしまう - 「問題発生」に対して素早い対応ができない
▶︎問題を未然に防げない、今後に活かせない - 同じ日に投稿を複数してしまうなど凡ミスが発生する
▶︎フォロワーさんに迷惑を掛けてしまう
誰がいつ、どんな役割で業務を行なうのか「運用ルール」を決めておくのは基本です。
また、社外に一部作業を外注する場合にも、ガイドラインが共有できていないと、作業をゼロから全てやり直す状況になることもあり得ます。
(個人的に苦〜い経験があります…汗)
②さまざまな価値観の人がいるから
アカウントを管理するスタッフも、価値観がさまざまです。
SNSでバズるためには印象的な投稿が必要ですが、過激な投稿内容になってしまわないよう注意が必要です。
しかし、どこまでが過激かを担当者個人の判断に任せておくと、炎上の元になってしまいます。
最終判断を下す責任者を明らかにしておきましょう。
最低限の禁止事項を社内で共有しておくと、トラブルを避けられるでしょう。
③企業を守るため
SNSでは、良いことが広まるよりも悪い内容が広まる方が早いです。
ちょっとした文言や写真でも、倫理に反していたりするとあっという間に広まってしまいます。
社内でのSNS運用ルールを決めておくと、企業自体を守ることに繋がります。
企業がSNS運用をするときのルールはどんな内容を盛り込む?
企業がSNSを運用する際に運用ルールを決めておかなければ、自社の悪い評判が流れてしまう恐れがあります。
個人の倫理観に頼りすぎてしまわないように、ガイドラインを準備しましょう。
具体的には、どんな内容を盛り込むと安心でしょうか。
情報の保護
SNSだけではなく、企業における業務全般と同様ですが、顧客情報や自社の機密事項は投稿しない旨を盛り込みましょう。
特に、個人情報については細心の注意を払う必要があります。
SNSでは、メッセージやコメントで顧客やファンとやり取りができます。
その内容を、個人が特定されるような形では投稿をしないようにします。
紹介したいときは、事前に了承を得てからにしましょう。
また、企業の仕事紹介などをする際は、社内の機密事項などを投稿しないルールを設けます。
透明性を確保する
企業がSNSを運用するときのルールは、企業の透明性を担当者に把握してもらうことが大切です。
- 自社スタッフにいいねを押させるような強要「やらせ行為」をしない
- 広告や宣伝であることを隠す「ステルスマーケティング」をしない
- 自社スタッフであろうとも「肖像権使用」の同意を得る
まずは、社内における担当者の基礎知識が最優先です。
誹謗中傷の禁止や商標保護
SNS利用者は年々増えており、さまざまな考えを持った人が使っています。
どこまでの行為が誹謗中傷にあたるかの線引きは難しいので、具体的な事例と対処をルールに盛り込む必要があります。
企業がSNSの運用をする時は、「商標保護」に関する情報も共有しましょう。
商標とは、企業のロゴやマークのことです。
外部の商標を勝手に使わないことを明記します。
商標法に基づいて、SNSを利用することを社内スタッフにも周知すると安心です。
【参考:総務省 情報通信政策レビュー「ネット炎上の実態と政策的対応の考察 ―実証分析から見る社会的影響と名誉毀損罪・制限的本人確認制度・ インターネットリテラシー教育の在り方―」】
企業のSNS運用におけるルール作成時に知りたい禁止事項
企業がSNSを運用するルールを作るときは、利用するSNSの禁止事項を確認しておきましょう。
SNSサービス自体のルールが守られないと、アカウントが凍結されてしまう場合があります。
今回は、企業でも利用が多いInstagramの禁止事項をご紹介します。
なりすましや不正確な情報を提供すること
Instagramでは、他人になりすます行為は禁じられています。
また、誤解を招くような広告や詐欺的な内容の投稿も禁止されています。
SNSではお買い得情報などは拡散しやすいので、過度な広告にならないよう注意しましょう。
禁止されているタグ
Instagramにはハッシュタグをつけられる魅力がありますが、禁止されているタグがあります。
性的なタグや差別的なタグは禁止されています。
また、最近では「#副業」というハッシュタグも禁止されています。
特定のInstagramハッシュタグページで人気投稿や最近の投稿が表示されないのはなぜですか。
利用者がハッシュタグを使ってコミュニティガイドラインに違反するコンテンツを投稿している場合、ハッシュタグページの人気投稿や最近の投稿が削除されることがあります。
詳しくは、 Instagramのコミュニティ規定をご覧ください。
Instagramヘルプセンター
個人情報や秘密事項を投稿する
個人が特定できる画像や動画を投稿するのは禁止されています。
個人情報保護法では、
- 個人に関する情報であること
- 特定の個人を識別できること
と定義をしています。
仮に名字だけの掲載であっても、勤務先や勤務先住所などが掲載されていた場合には、その人が誰であるかを特定できます。
許可を取っていない人が写っている画像や動画には、モザイクをしっかりとかけましょう。
最近では画像の分析技術が進歩しているので、小さく写っている人の顔でも判別できる恐れがあります。
民家が写っていないかも要注意です。
家の外観や道路などから撮影した場所を特定できる技術もあるため、自社に関係のない一般住宅が写っていないか、投稿する前に確認しましょう。
詳しくは、個人情報保護委員会のホームページをご覧ください。
まとめ
若い世代へ訴求したい場合など、企業がSNSを運用するケースが増えています。
しかし、インターネットはさまざまな人が利用していることを常時認識しておく必要があります。
たった1つの表現次第で、一気に炎上するケースだってあります。
- 企業を守る
- 社員やスタッフを守る
- その上で、お客さまから「信頼」を得る必要がある
これを念頭に入れて、「運用ルール」を定めておきましょう。
個人情報の保護や誹謗中傷禁止などの基本事項はもちろん、SNSが独自に定めているルールも盛り込んで作りましょう。
ガイドラインがあると、健全な運用ができ、自社のイメージアップにもつながることでしょう。